でめりんのおぼえがき

ゲームと育児の話中心に色々目に留まったことなど。長文病です。 たまにお絵描きも

透明なゆりかご 4巻読了

今回も発売日に届くよう予約してあったのですが
P5の感想文を先にしたいのと外出の用事が多く
発売日即日感想アップというわけにはいきませんでした…

透明なゆりかご(4) (KC KISS) 透明なゆりかご(4) (KC KISS)
沖田 ×華

講談社 2016-10-13
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さて、もう4巻ともなればそろそろ息切れしてくるかなと
思いましたが、今回もしっかり泣かされてしまいました。
とはいっても今回は産院で働いてる中で出会う赤ちゃんのパターンというより
作者の子供時代に出会った人々、過去話の比率が高かったですね。
それはそれで泣ける話ではあるのですが、近所に住む
荒んだ環境の家の話などはどちらかといえば西原理恵子などを彷彿とさせるし
単純に妊娠~出産の話を読みたい人の需要とは違うかなと思います。
(つっちーや駅裏の外国人の子の話などがそうですね)
もしも、もう自身のアルバイトで体験した話題が尽きているのであれば
産婦人科関係ない話になってまで延ばさずに
評判が良いうちに締めくくって欲しいかも。
締めさせてもらえないとかそういう事情もあるかもしれませんが…
自身の体験ではなく見聞きした話をかき集めたり創作するようになってくれば
いずれ魂がこもらない内容となるのを懸念しています。


それでは、今回も気になった話だけかいつまんで感想いきます。

まずは、
生まれた子供が夫婦のどちらにも似ていない外国人顔で浮気を疑われる話
これ、4巻が発売される前のネット広告でめっちゃ出てましたね~
(最近は駅裏の子の虐待シーンが多いですが)
全く自分たちと関係ない外見の子が生まれるってどういう原理なんだろうと
実際に読んでみたいと気になったものです。
まあ似ていないだけならともかく外国人顔では
本当にDNA検査で証明しない限りは疑われるでしょうね……
ただ夫側の親族はそこまで嫁に冷たく当たるんであれば
DNA鑑定費用の話の時だけケチってないでさっさと出して、
それではっきり浮気確定してからその態度をとれよと思いました。
まあ親族って口ばっか出して金は出さないイメージありますよね。

真相は夫の曽祖父がロシア人で、祖父は日本人顔に生まれたが
もう一人いない事にされていた兄弟がロシア寄りの顔だった。
そのロシア要素が今になって子供の顔に現れてきたという事でした。
夫の父親でさえ聞かされていなかったような話なので
その場に事情を知っている高齢の親戚がいなかったら
このまま離婚になっていたのかと思うと危ないですね。

実際、どこにこんな顔の要素が…というような部分は
遠い親戚が持っているものだったりしますね。
子供の顔はコロコロ変わるというのもあって結局この子は
ロシア顔から平凡な日本人顔に変化していったようです。
作中で産んだ本人も言ってますが、逆にもったいないですねw
でもハーフ顔って昔は苦労したんでしょうね。
今だったらモテ要素でしかない気がするんですが、本人は
やっぱり完全な日本人顔になりたいものなのかな。


次は、近所に住む、道行く女子高生に口うるさいお婆さんの話
あーこういう偏屈っぽい、通りがかっただけで逐一
説教してくる人はウザがられるだろうなー……
昔の漫画でよくいた雷親父系ですよね。
私がこの巻で一番好きなのはこの話です。

たまたま関わる事になってわかってきたのが、
女子高生に口うるさく言っていた内容は全て
親心的な、女性の体を慮った発言で(スカート短くするななど)
元産婆だったということです。
今や産婆はよほど自宅出産に憧れる人でないと利用しなくなったし
既に引退して今は道行く女子に怒鳴り散らす婆さんでしかありませんが
現役時代は一人も失敗しなかったほどの腕前だそう。
こういう人のお話は普通にじっくり聞いてみたいですね。
(あーでも私だと昔の言葉の悪さや嫌味に逐一カチンとくるからダメかな)

産婆になったのは、昔戦時中に自分自身の子を死なせてしまったからだと
いうことですが、もし自分が子供がいないままだったり
子供を産んでもすぐに失ってしまったなら
他人の子を見ても恨めしくなるだけだからこういう仕事できないなあ…
自分が不幸を体験した時、
他の人にはこういう思いをさせない!と考える人と
他の人も自分と同じ思いを味わえ!って考える人がいると
思うんですけど、このお婆さんは前者なんですね。口は悪くても。
というか、口が悪いと書きましたが、産婆さんという職業がら
ちゃっちゃと仕事をしないと人命がかかってるから
柔和な言い方してられないのかもしれないですね。

最後、牛小屋で絶体絶命の状況の中取り上げられた子が成長して
この産婆さんをもてなしに来て、
実の子供はいないけどあの時とりあげた命は今の縁に繋がっていると
締めくくられるのですが、そう考えると
今活躍している偉大な人間たちもあの時うまく取り上げられてなかったら
偉大かどうかもわからないままただの大勢いる赤子の一人として
消えてしまってた可能性はあるんですよね。
というか今すでに、誰かが生まれてこれなかった或いは早死にしたために
未だ成しえていない何かがあるかもしれない。

血が繋がっていても酷い関係の家庭よりも、
血が繋がっていなくても結べる絆の方が気持ちが良いと思える話でした。


次は、妻に逃げられたDQNの子を行きつけのパン屋の皆で面倒をみる話
……って自分で書いてみても字面が酷いな。
妻の方は性別が望みじゃなかったから出て行って行方不明との
事ですが、それだけでは出ていくまでならないと思う。
そりゃ性別が全て!!という人もいるとは思いますが、この家の場合
他に明らかにダメな要因がありすぎて。
働かないわ出産一時金でパチンコをしてくるわ相当なカス男のようだったので
普通に今後の生活に絶望して投げ出したんだろうなと。
子供も産み落とした事で駆け落ちのテンションから醒めたのでしょうね…。

ミルク代が勿体ないからと(パチ代は?)歯も生えてない子に
パンの耳を食わそうとするレベルで子育ての仕方を全く知らない屑男なので
見かねたパン屋のおばちゃん達で赤子の面倒を交代でみて
その間にこのDQNバイトを始めて稼ぐ…という生活を
しばらくしていたのですが、
このカス男はあろうことかこのお世話になっているパン屋の入った
スーパー内で「昔の癖が出た」と万引きをしてしまいます。
……いや、この「癖」とか「してしまう」とかいう感覚が
私には到底理解できなくてですね。
窃盗って「ついうっかり」なんてもんじゃなくて
状況考えたらよほど意識的にやらないとできない芸当じゃないですか?
失望したパン屋の面々は当然ビンタをかまし、二度とツラを見せるなと
DQNを締め出し、赤子の方はおそらく妻側の?親族の元に
あずけられてしまいます。

それから学生に成長した元赤子が、なんとなく覚えていたパン屋に
顔を見せにきて、父親であるDQNの顔も見に行くのですが
落ちぶれぶりがすごかった…辛うじてもともとの家に住んでいますが
身なりは完全にホームレス一歩手前でした。
それでもあまり愛情をかけてくれない今の家よりもお父さんと
抱きつくのですが、この話の後実際はどこで暮らすようになったのかは
書かれていません。現実問題学生の身分ではとても養ってもらえる家では
ないですよね…。時々会いに行くどまりが現実的かなあ。
自分が生まれて間もない時に離れ離れになって、
しかもいい噂も聞かない親だと、どんな顔をしているのか、
一度会ったら自分にどういう反応を示すのか…という所までは
好奇心がありますが、そのまま一緒になりたいとはちょっと思えないかも…
今の家がよっぽど家族扱いをしてくれず居づらいのなら
自分のよりどころとしたくなるのかもしれませんが、
客観的に酷いですからねこのDQNは…。
他の話の時も書きましたが、血の繋がりじゃなくて
どのくらいお世話したかを重視したい。そうなるとこの場合は
パン屋でずっと皆と暮らすのが理想的なんだけどそういう訳にはいかないか…

最後の立ち合い出産の話の夫もそうなんですが、
パチンカスのイメージがますます悪くなる~
大事な時期にどうでもいいものを万引きするとか、
立ち合い出産の途中で抜け出してパチンコするとか
もしかしたら何かプレッシャーを受けての逃避行動なのかもしれないけど
そういう弱さってどうしても私には理解が及ばないのです。
というか「弱さ」って呼ぶのか。どうしても意識的なものにしか思えず。

最初に、子供時代の話を西原理恵子の描く話のようだと書きましたが
(「ぼくんち」読んでました)本当はこういう荒んだ環境は
どこにでもあるのか、単に作者の住んでいた地域がとくに荒んでたのか
どっちなんでしょうかね…西原理恵子は後者だったような。
勿論産婦人科で働いていれば、ひどい親の元に産まれる赤子や中絶の話も
ザラに見るのだと思いますが、すでに赤子ではない児童虐待系の話は
産婦人科の話ですらないし)今後減って
もう少し産科の話多めに戻って欲しいなあと思います。

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