でめりんのおぼえがき

ゲームと育児の話中心に色々目に留まったことなど。長文病です。 たまにお絵描きも

透明なゆりかご 3巻読了

本日アマゾンから透明なゆりかご3巻が届きました。
もうすっかり本もアマゾンで買っているけど、実際近くの本屋が半分以上無くなってるんですよね…
アマゾンがあるから本屋が無くなってるのか、本が売れない時代だからなのかわからないけど。

透明なゆりかご(3) (KC KISS) 透明なゆりかご(3) (KC KISS)
沖田 ×華

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今回は、個人的に2巻より楽しめました、というか盛り返しました。
もともとノンフィクションとして読み始めたので、
2巻の感想の時は、出来すぎている話や脱線が目立ってきて
これはそろそろネタ切れなのかな、話をかなり盛っていたり事実だとしても繋ぎあわせてると
考えなきゃいけないかな…と少々醒め気味だったんですが
この3巻は2巻より1巻に近い内容で、実際のノンフィクション具合はどうあれ
気にせずに没頭することができました。面白かったです。
この作品の場合「面白かった」というのはおもに「泣いた」という意味ですが…w

今回も特に印象に残った話を中心に感想を書いていきたいと思います。
ネタバレ注意です。

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まずは嫁姑間の仲が(表面上)よすぎてどんどん嫁の出産に踏み込んでくる姑の話

近年は嫁さんの方が強い時代というか、嫌な時は出て行く(離婚)事に躊躇がないので
怒らせないように?姑さんの方がとても気を遣うケースが増えてきたような気がしますね。
とくに出産や子育てに関しては嫁さんの方針に口出しをしないし、そうした方が良い。
育児の常識も数年でコロコロ変わっていきますが(長女→次女でわかった)
基本的には新しい知識(嫁さん側)に委ねた方が無難ですし。

で、この話、前半は今の知識を学ぼうとするし嫁さんに働かせまいと
至れり尽くせりでとても良い姑さんに見えるのですが…
後半で「息子につけられなかった名前を赤ちゃんにつけたい」とお願いしだした時
あー本音出たよ…それはお願いしちゃダメなやつや…と。
名前は子供の顔です。それを自分でつけてこそ親の自覚も生まれるし、
子供にどうなって欲しいとか願いや拘りを詰め込みたい所ですよね。
(キラキラネームをつけろという意味ではない)
たとえ実の親や旦那であっても自分でお腹を痛めて産む子の名前は自分で決めたいですよ。
まあそこまで拘らないし周りに任せても良いとか信頼する人につけて欲しいって人もいるんですが、
もし産む本人が自分の意見を持っているのであればそれが最優先されるべきだと思っています。
ここらへんも今の時代だから言える事なのかもしれませんが。

それで名前の件で、あまりに出産に関して距離ナシ通り越して自己投影の域に入っている姑さんと
離れたく、出産はあくまで自分自身のものだと実感したくて独りで管理入院に入った嫁さん。
もっと普段から気が強くて「産むのは私、この子も私の子」と言える嫁さんなら
よかったんでしょうが、なまじ姑さんがひたすら尽くす優しい人だったから
本当の理由を説明できず逃げるように入院しちゃったんですね。
だから突然シャットアウトされた旦那&姑さんはわけがわからず、
陣痛がきた一番大事なタイミングで
「お袋が出産にだけはどうしても立ち会いたいって…」と入ってきます。
違うだろ。
最悪入院中には来られる事はあっても出産にだけはどうしても立ち会われたくないんだよ。
あまりの痛さに、気を遣うような相手にはとても見せられない状態になる…というのもありますが
誕生日とか結婚式とかみたいに、とくに出産は人生の一大イベントとなると思います。
もし出産の瞬間に姑に入られたなら人生の一大イベントを台無しにされた感までしますね、私なら。
まああと、出産が旦那との性生活の延長というか結果だと考えると
そこにも姑が介入してきてる感があって本能的に嫌なのかも。
今の病院ではだいたい姑の立ち会い禁止がデフォになっていますが
この漫画では97年頃が舞台なのでそういう規則もまだなく、看護婦同士の伝達がうまくいかず
事情を知らない看護婦が旦那さんと姑さんを入れてしまいました。

とうとうブチ切れて乱暴な言葉遣いで暴れてしまった嫁さん。
「そんなに私の事嫌ってたの…?」(姑)って、嫌いじゃなくても立ち入られたくない領域が…
わかれば入ってこないか。連れてきた旦那さんもわかってないしなあ。
そもそも心配で入ってきたって言うけど素人にできる事なんてないんですよね。
気を遣ってたらいきめるものもいきめなくて余計邪魔だわ…。
とにかく、もう自分は出産できないからだろうけど嫁さんの出産に感情移入しすぎましたね。

最後には検診も嫁さん一人で行く事になり、無事に名前も嫁さんが決めることができました。
この嫁さんと姑さんの関係に限らず、片方が気兼ねなくなんでも話せて快適でいる時って
もう片方はその快適でいてもらうためにものすごく自分を殺して気を遣っていた…
って事がありますね。
後になって本当はここまで踏み込まれるのは気が進まなかった、嫌だったと知るのは
快適な関係だと思ってた側はショックだろうし、なら早く言ってくれよと思うだろうけど
このくらいのショック療法じゃないと気づけないだろうし、
そもそも気を遣って合わせようと思ってくれたこと自体、
もとは好意(厚意)から始まったはずだからそこを汲んであげられたらいいですよね。

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糖尿病ハイリスク出産で視力を失った妊婦さんの話

生活上の不摂生での糖尿病ではなく幼少時に突然始まったケース。
端的にいえば、子供をとるか自分の視力をとるか、という話でした。
旦那さんは最初から出産に反対していて、妊娠後期に視力が悪化した時には
今からでも中絶できませんかと言うのですが奥さんは出産を望みます。
で、思ったのが…旦那さんそんなに奥さんの体を悪化させたくなかったんなら
最初から避妊しておけと。している上で失敗したのかな?
でも絶対嫌だったなら色々対策あったと思うんだよなあ…
ただ、奥さんの方が「何もできなかった自分が何かをやり遂げたかった」と
子供を残すことを強く望んだし、どうせ何もしなくても視力がじわじわ
悪化していく可能性は高かったので、それで何も残らないより
子供を残す人生の方が意味を見出せて良かったと思います。
そういう意味では無計画でも子供を授かるきっかけをもらって幸運だったのかな。
意図的には作らせてもらえなかっただろうから。
最終的には旦那さんも協力的になって良かったです。

病気を持っていたり体がなにかしら不自由な人が子供を産もうとする時って
今回の奥さんのようにこんな自分でも何かを一人前に成し遂げられるんだと思いたかったり
逆に自分の状態では子育てできないんじゃないか、子供にも病が遺伝したりはしないかと
心配したりといろいろ複雑なのではないかと思います。
私もそのひとりだったので、医療技術が発達してから出産できて良かったなあと。
たぶん今回の糖尿病も、今の時代なら失明せずに妊娠出産できる?
でも、今の医療技術でもなお追いつかず、妊娠したらいけないと言われている、
子供を作るに作れない病気を持っている人たちはいると思います。
婦人科系の異常は無いのに子作りをハイリスクだからと封印されるのはきっとつらい。

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乳幼児突然死症候群SIDS)の話

これまで妊娠の経過でも○ヶ月検診でも健康そのものだと信じていたのに
何の前触れもなくいきなり呼吸が止まって死んでしまうというこれは
生後6ヶ月までが一番危険だといいますが、次女が10ヶ月を迎えた今でも怖いです。
(なぜか次女はうつぶせ寝をよく好むし…)
何ヶ月、何歳になったら安心なのだろう。
今回の聡くんは完全に死んでしまう前に救急車で運ばれて一度延命できているので
SIDSの原因究明に近づくことができたのでしょうか。
結局窒息ということでいいのかな… 窒息というと大人の頭では
死ぬ前にまず苦しくて暴れるだろうと思ってしまうのですが
息をしないと危険という知識もないし体もうまく動かせない赤ちゃんだと
気づかれずに逝くものなんだろうか。

天使の会(お子様をなくしたママたちへ)の集いに行くのを
最初は拒否してるの、なんかわかるなあ。
行ってしまうと完全に自分が「子供を亡くした母親」というカテゴリーに入ったと
自覚してしまうし、その中で慰めあって集いに通い続けていると
いつまでたってもその呪縛から逃れられない、忘れさせてくれない気がして。
でも、誰かに吐き出す、共感する、してもらうという行為は大事なんだろうな。

透明なゆりかごは1巻の時から、読み終わった時に
無事に生きている我が子に改めてしみじみとありがたさを感じることができる作品ですが
この突然死症候群に関しては常々、急に当たり前の事が当たり前でなくなってしまう、
子供の命が予告なく消えてしまう場合があることを思い出させられるので
話としては特筆すべき展開はなかったけれど常に他人事じゃないと気が引き締まります。

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超低出生体重児の話

この話コウノドリっぽいですね。
ミノリちゃんのお世話をしているNICUの丸井先生が新井先生に似ている。
新井先生の時も最後には生命維持装置を外して抱っこさせてたなあ…。

体重500g以下って、ほんとに主人公の感想どおり鳥のヒナっぽいんだろうなと思います。
というか、動物の胎児って大体そんな感じですよね。毛がなくてピンクで…
でもそれは、普段想像する完成された可愛い容姿の「赤ちゃん」ではなく
製造途中であるはずの、まだ体内にいるべき「人体未満の何か」として目に映るかもしれない。
よほど知的好奇心をも持ち合わせている親でないと
見るのが怖くても責められない気がします。
ただ、こんなに小さいからこそ、もう手を振るように動かしたり
自分の手の上に手を乗せてきたりなんかしたらすごく健気で可愛いって思えそう。
絵柄のせいもあるかもしれませんが、このミノリちゃんすごく可愛いです。

成長していった場面、やっと母親が出てきてミノリちゃんを抱いた時は
このままいけるのでは!?とか思ったんですが、
そうでした、こんな体重のうちに保育器の外に出すということは
延命を諦めるという意味だとコウノドリでも学んだはずなのに騙された…。
500g未満から始まった子が無事に成長しきった例はあるのでしょうか。
感想を書き終わったら調べてみようかなと思います。

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最後は、1巻から登場していたあの色黒院長先生のプライベート話
院長のことを掘り下げた話出てこないかなと期待していたので読めてよかったですw
ほんとこの院長何者なんだ、と最初の頃から思ってたんですが
想像したとおりの体育会系。そして既婚子持ち…どころか
なんと6人の子持ちでした。
どうやら「子供は野球チームができるくらい…」を素で実践しようとしていたらしく
7人目を作ろうとしたところで、すっかり子育てと出産の連続でやつれた奥さんから
「私は産む機械じゃない」と三行半をつきつけられたという。
ちょっと子供を望んだだけで女は産む機械じゃないと過剰反応するフェミは
好きではないのですが、この奥さんはまさしくその台詞を口に出して良いと思うw

しかも野球チームができるくらい子供を望んだ理由が
不妊の患者さん(当然女性)との野球チーム作って対戦させようという軽口からって
ますます奥さん的に微妙だと思う…。
その患者さんは結局死産になり、それを担当してた事で自分を責めて
せめて自分はその分も子供を作ろう、約束を守ろうってなったとのことですが
そんなん奥さんからしたら知ったことじゃないですがな…
今回は反省して自分から子供を打ち止めにしたけど、もし途中で奥さんの方に
婦人科系統に異常が出て子作り続けられなくなったらどうしたのかと…

本当は嫌いな中絶手術を自分なりに前向きに解釈して責任持って行っていたりと
基本的に誠実なんだと思いますが、他の女性との約束やら罪悪感やらで子供を6人もこさえる前に
奥さん自身の体(母体としてのじゃなくて)を気遣ってあげて欲しかったですね。
最後は子供達の世話も分担できたようでよかったです。
しかし子供たちほんとに全員男の子っぽいな…。
ここまで体育会系だと確かに雄にしかならなさそうな種ってイメージだけど…w

感想としては飛ばした話もありますけど、全体的に良かったです。
産婦人科らしい話が多かった。今のとこ1>3>2巻の順でおすすめかなー。
先日本屋でKiss(雑誌)の表紙を飾ってて驚きました。ということは
4巻かそれ以上もいくのは確定か。まだ続刊を待てるのが嬉しいです。