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でめりんのおぼえがき

ゲームと育児の話中心に色々目に留まったことなど。長文病です。 たまにお絵描きも

コウノドリ ドラマ版9話目感想 壊れた心

今週のドラマ版コウノドリは、原作では7巻の「NICU編」に当たります。
内容はほぼ原作に忠実でしたね。新生児科の新井先生の心を悉く折ってくる話です。

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最初にNICUでお世話になっていた赤ちゃんとその母親、
ようやく1600gになったところでしたが、このたび23週で生まれてしまう子のために
満床の保育器をひとつ譲って他の医院に転院してくれと言われます。
1600gでも現在のNICUの中では一番マシな状態という事で…

まずは、ここで快く譲ってくれたお母さんの赤ちゃんが
エンディングで元気に育っていてくれて良かった、といったところですね。
もしもここで、譲った事が原因で容態悪化に対応しきれずに亡くなったりしたら
やりきれないでは済まされない……。

その譲られた23週の赤ちゃんですが、やはり羊水の外に出るには早すぎて
最初の3日間がヤマ、それを乗り切っても重い障碍が残る可能性は少なくないようです。
しかしそれを説明する新井先生、悪い可能性の話ばかり専門用語満載で
矢継ぎ早に言う、そのくせ「赤ちゃんの生きる力を信じる」と
肝心なところで曖昧というか非科学的な事を言うだけなので、父親に逆切れされます。
いや確かに、障碍が残るくらいならなぜ助けた?とか言ってしまう父親はアレですけど
新井先生も説明する順序というか、巧くないですね。
せめて障碍が残るようなトラブルが起こってから説明すればよかったんじゃないの…?
この話下手さは、若干ベクトルが違うかもしれないけど、四宮と似てる気がする。

その四宮ですが、ずっと親が見舞いに来てくれない脳性マヒのつぼみちゃんが
とうとう亡くなってしまい、駆けつけます。
(てか手術中に動揺するような報告するなよ)
つぼみちゃんの父親は、つぼみちゃんの出産時に奥さんを亡くした事で
当時随分四宮を責め立てたようですが、今回は四宮が父親を責め立てても良かったんじゃないのか。
見舞いに来ないでいた父親の胸倉をよっぽど掴みかかりたかったと思うんですけど、
立場上口出しができないんですよね。

つぼみちゃんの父親も、今回の23週の子の父親も、妊娠出産が普通に終わるのを前提に
考えているから、いざ何かあった時に医師に八つ当たりするしかないんだろうなあ。
貴重な産科や新生児科希望の人が減るからやめて欲しい。
ただ、医師が基本手抜きとかするはずないんだけど、
頭に血が昇っている最中の当事者からすると
結果がダメになった時点で手抜きに見えるんだろうなあと。

とうとう23週の子が3日以後にも関わらず脳出血まで起こした時に
両親を呼んで今後の処置について説明をしていましたが、
「我々は救命に全力を尽くすが、医療は万能ではない。
どんなに頑張ってもダメな時はダメである
」という点を
優しくもきっぱりと伝えた今橋先生は本当にできる人だなあと思いました。


結局手術できる段階までは体がもたず、子の命の灯が消えてしまう寸前に
今橋先生は両親に「抱っこしてみませんか」と言う。
それは赤子を外気に晒し、延命を諦めるという事。
当然両親は迷いますが、誰の目にも明らかな勢いで心拍数は減っていく。
新井先生だけはギリギリを超えてもまだ頑張ろうとするんですが
このままでは一度も抱かれた事のない赤ちゃんになってしまう、と。

いやこれは実際難しいですよね。究極の二択です。
生きてるうちに普通の赤ちゃんとして一度きりだけど確実に抱っこしておくのと
救命措置を続け一度も抱っこできないまま終わるor今後何度でも抱っこできるようになるかの賭け。
一番最悪なのは、一度も抱っこできないまま終わるというパターンだし
その可能性が圧倒的なので、母親は救命装置を外すようお願いします。

この間父親はずっと、あまりにも心ここにあらずというか
まるでこのまま死んでくれたら助かる位には考えてそうなボケ面でしたが
最後の最後でようやく感極まって、頑張ったなと声をかけて泣きます。
しかしドラマでは先週の無脳症の回から
ダメだった赤ちゃんに対してあまり思い入れがなかった父親が最後に泣くというシーンを
連チャンで見せられているので、このへん順番離しても良かったのでは……。

 

新井先生、せっかく頑張って交渉してNICUの保育器をひとつ空けたのに
受け入れた子供の親に責められ
意地もあったのでしょうが不眠不休で赤ちゃんを看つづけ(今橋先生に止められますが)
結局赤ちゃんを生かし続ける事ができなくて
無力感の中彼氏とデートしていると、また結婚話になったタイミングで呼び出しがかかり
また未熟児(今回は普通に双子ですが)の救命措置をとる場面に出くわし
ここで今までの色々がトラウマになってしまい、手が動かなくなってしまいます。
そこはとっさに今橋先生が替わるのですが
廊下で他の先生たちに声をかけられても、ひたすら「ごめんなさい」を
繰り返すだけになってしまいました。
…あーあ……壊れてしまった……

それから一週間以上、新井先生は出勤してきません。
これが原作どおりなら、このままドロップアウトです。
(…9巻読了時点までそうだったけど、その後出てきてるのかな?たぶんいない。
コウノドリは非情な現実を描く時は描くから、新井先生もこのままがリアルだと思う)
鉄の女だとか言われていたけど、感情表現は下手だけど
実際やってる事が報われないって心をポキポキ折っていきますよね。
NICUにはそもそも普通に充分体重で生まれてきた赤ちゃんはやって来ないから
描写されてない所では沢山、育ちきらなかった子を見送ってきてたはず。
今回の件はただのトドメにすぎないんだと思います。
そしてその報われない思いをするために、結婚話を進めたい彼氏を毎回振り切って仕事に行く…

おそらく子供が元々好きで、子供の命を救いたくて始めた仕事だと思いますが
こんな鉄仮面はさっさと捨てて、彼氏に守られて生きていきたいって
折れてしまうとしても全然不思議はないと思いますなあ……
いや実際新井先生がその後彼氏とどうなったかはわからないんですけど
もういい加減待たせすぎてると思いますし、癒されて欲しいですね。
今橋先生は院長に、早く気づいてあげるべきだったと言ってますが
残ったあなた方も心配ですよ私は… いやすでに無心の域に達しているのか…

四宮もつぼみちゃんを失った後の屋上で、せめて親に一言でもつぼみちゃんを褒めて欲しかったと
今まで押さえていた思いが爆発するように泣いていました。
新井先生もこの人も鉄の心のつもりでいたことは一緒だと思うので
これでたまっていた鬱屈が少しは晴れるといいのですけども。

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ところで、中絶可能時期や流産扱いの時期って21週までだったと思います。
その翌週からもう早産(出産のうちにカウントしてしまう)なの?
なんか調べたら、これを早産扱いするのは日本だけというか
世界で最も早いらしいんですが…。 
では海外、日本でも設定如何では22週で亡くなってしまっても流産扱いだったって事?
おまけに一般的には子供は無事に生まれるものだと思われている。
そりゃ22週あれば生かすことも不可能ではないのだろうけど、今回のようにその可能性は
かなり低いわけですよね。
というか日本でも昔だったらそのまま死んでしまって普通のことだったはず。
なまじ現代日本では中途半端に技術があるだけに、できない事まで頑張らされてはいないかと
本当にNICUの現場が心配になってきましたよ……。


来週はとうとう最終回です。え、早い!下町ロケットも来週で終わりですよね。
この2本だけを私は観ているのですが、うーん短いな。というか寂しくなる。
まあ変にシーズン2とかいって内容薄くなるよりは良いですが。