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でめりんのおぼえがき

ゲームと育児の話中心に色々目に留まったことなど。長文病です。 たまにお絵描きも

強者の立場じゃないと描けない「ヒモザイル」

その他作品 雑談・日記

www.itmedia.co.jp

あ、しまった、2話目出てたのか。もう消されてて読めない。


この漫画を最初に知ったのは、知人が「ちょっとこれ読んでくれる?
俺これまで一番性根が嫌いな漫画家は長年○○○○(今回の話に関係ないため自粛)だったんだけど
今、これ描いてるやつに変わったわ」と言ってきたからなんですが。

いきなりご立腹状態で人に読んで欲しいって言ってくるような漫画って
どんなんだよ…と思ったら、このヒモザイル養成漫画の1話目でした。

海月姫ママはテンパリストの作者さん、東村アキコ先生が
このヒモザイル養成ドキュメンタリー?漫画を始めてたんですが
公開してからネット上で賛否両論っていうか否定派が圧倒的でした。
さすがに作者の元にもその声が聞こえてきたのか、このたび
連載を休載、いや実質中止かな、する事に決定したようです。


1話目しか読めていませんが、その内容には色々問題にされるだろうなという描写がありました。
創作漫画で性格の悪いキャラクターを演出するために敢えてやる非道な描写とかじゃなくて、
ドキュメンタリーゆえのわざとじゃなくて本気感があるのがヤバいんだろうなあと。
純粋な善意でやってるようだし、これを友達同士の話で済まさず漫画化して皆に見せようと
思えた感性そのものに、ああなんか色々麻痺してんだなと思いました。

もちろんある程度ぶっちゃけるのがこういう日常切り売りものでは
面白くなる要素ではあるんですけど、
うん、日常切り売りは自分自身の話だからいいんであって
他人のことを描くこれはもっと慎重になるべきでしたね。

仮にアシスタントたちやOLたちに了解を得ていたとしても
最初に出てきた、アシに子守してもらっといて影でアシの将来を悲観した人が
あんな発言描いていいよなんて言わないと思うんですよね……。


休止が決定した今や書いても蒸し返すだけなのかもしれないけど、
1話目の時はブログやってなかったので、受けた印象を今書いておきたいと思います。

どんな話かというと、
自分のアシスタント男たちはこのままではデビューする見込みがなく、将来が心配。
そこで外で働く自分の友達OLたちにアシたちをあてがい専業主夫として養ってもらえば
アシスタント達は自分の応募作品制作に集中できて、OL達は家事が片付いて一石二鳥
というわけでこれからアシスタント達に花婿修行をさせて
OL達に気に入られるような見た目や素行に(エグザイルばりに)変身させていこう、
という漫画です。
はい、ヒモザイルのヒモとは、東村先生自身が雇っているアシスタントたちのことです。

……このアシたち、どんな気持ちでこの原稿に背景入れたり仕上げ作業してたのかなあ

私なら、「ヒモ呼ばわりするほど収入がないと思っているのならお前が給料上げてくれよ」
と思いながら描くわ…

自分も漫画の仕事に片足突っ込んでいるので、その範囲である話ですが
連載が長く続く売れっ子の元にはそのまま家庭を持つほどの収入を得ているプロアシがいます。
自分の連載が当分続く見込みの場合、自分の画風に慣れてるアシに逃げられたくはないですもんね。
長年拘束するに足るお給金を渡しています。ボーナスなんかもあったりしますよ。
売れててもケチ臭い漫画家もいるにはいますが、そういう噂話が
アシ予備軍の中で出回ったりすると、人が来なくなり作家の首を絞めることになるので
少なくとも自分の周りではあんまりケチな人はいないですね。


その点、東村先生は女性漫画家の中じゃ相当売れっ子の部類のはずなので
アシがデビューできなさそうと思うなら、少なくともヒモなんて呼ばせない給与を
コンスタントに与えてあげることから始めてはどうかと思うんですが。
今後も創作にせよエッセイにせよ仕事は続くんでしょうし
漫画業界に無関係のOLにあてがってないで、ちゃんと自分の仕事場で
アシが自ら出て行くまで、或いはアシが要らなくなるまでは雇ってあげればいいのに。
アシはお見合いするためにではなく、漫画のスキルのためにその仕事場に来たんですから。


というか、その企画が本当に成功して専業主夫に収まってアシをする必要がなくなれば
一番困るのって東村さん本人じゃないの?いいのかな。

もしかして、そろそろ人員総とっかえしたいなあ…とか考えてたとか?
そうでないのなら、いい言い方をすればお人好し、悪い言い方をすれば距離ナシですね。
中には是非にOLさん紹介してください(結婚に限らず彼女候補として)と言ったアシも
いるかもしれないですが、少なくとも全員ヒモになりたいわけじゃないだろう。

本気でOLさんが給与担当になるなら「ヒモ」側にもキッチリ専業主夫としての家事労働を
任せるはずですけど、それ全部してたら案外漫画制作の作業時間は余りませんよ。
子供なんかできたらほぼゼロです。独りで働くだけしてた方がまだ時間余る。
そしてそこまで家事しなきゃいけない専業主夫はもはやヒモとは呼ばない。

 

むしろ1話目の時点では、OL側の承諾が見えないんだけど、どうなったんだろう。
漫画アシ紹介して欲しいって言ってた?
このあたり2話目で言及されていたのかもしれないからなんとも言えませんが
いい企業勤めている女性は結婚相手にそれ以上のスペックを求めませんかね。
すでに惚れ込んでるダメ男相手ならともかく、これから出会う人に
ハナからヒモ希望する人なんて求めてないのでは?


うーん、しかしあの漫画は、理屈だけで人間たちをあてがおうとする所も
友達同士の悪ふざけの会話でもキツめな「ヒモ」呼ばわりを
全国の読者が見るところで平気でできてしまう感覚も
アシ拘束してる時間で漫画以外の雑用(子守)を気楽にホイホイ任せてしまう公私混同も
なんというか、自分と他人の境界がないっていうか人を操っている感覚というか
他人を自分の一部だと思って遊んでるのかな? と思ってしまいました。
過去、漫画家になる前はどうだったかわかりませんが
少なくともこんなのが描ける今の東村先生は自分を強者側の人間と思っているのだろうし
それが自覚なしに表れちゃってる感じがします。

ただこんだけ強気の内容だったのに、いざ叩かれると速攻で引っ込めてしまうあたり、やっぱり
その強者感覚は後天性のものであり、根本は小心者なのかと感じましたが……
なんか、散々毒吐いた後に自分が批判されたらツイ消しとか鍵かけとかする人みたいだわ…


2話目を読んでいないので、もし思い違いというか後から訂正されたり
補足されたりした事があるなら(OLは承諾してるのか等)申し訳ないんですが
あのヒモザイルに感じた私のおおむねの印象でした。

漫画としてレポートしなくてもこの企画自体はやり続けてるのか、それはわかりませんけど
どうかアシ達もOLも一緒くたに並べないで、本当に結婚したいと希望してる人にだけ
紹介してあげて欲しいです。