でめりんのおぼえがき

ゲームと育児の話中心に色々目に留まったことなど。長文病です。 たまにお絵描きも

ぢごぷり1、2巻読了

カラオケ帰りのGEOでコウノドリの読んでいない巻など見繕っていたら
ちょうど気になっていた漫画があったので借りました。
げんしけんの作者が描いた、ぢごぷりという作品です。全2巻。
今回はこの感想を。

 

ぢごぷり(1) ぢごぷり(1)
木尾士目

講談社 2009-05-22
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たまにネット広告で見ますね。あのカットは気になりますよ…
児童虐待系の広告は心が痛むのであまり目にしたくはないのですが
まあ現物を見つけてしまったのでw

一言で言えば、密室育児による産後鬱のお話です。
新生児をお世話する眠れない日々を、永遠に続くと思われる地獄に例えています。
ぢごぷりってのは地獄のプリンセスの事かな?プリンセスは主人公?子供(女児)?

広告で赤ちゃんを絞め殺しかねない勢いのカットが使われてますが
まあ実際はそんな大事には至りません。
ただ、ミルクもおむつもお世話した矢先にまたすぐ泣き出すのループで
毎晩眠れないでいるうちにだんだん赤ちゃんやお世話を手伝ってくれる人を
邪険にしたり卑屈な考え方になったりとか、そんな話ですね。
実際に邪険にしたり虐待に至ったりはしなくても
そんな言葉を心の中だけで考えてしまったり
勘弁してくれ……と思った事のない人はほぼ居ないだろうと思われるので
育児経験者からしたらあるある話の範疇なのです。
今肩肘はって密室育児をしていて、疲れて自己嫌悪に陥っている人には
「こう思っても無理もないんだ、自分だけじゃないんだ」と考えるためにも
読んで良い本だと思います。

 

ただですね。まだ綺麗ごとや、~べき論を言っていられる育児未経験者などには
この本を見ても不快でしかないと思います。
私はげんしけんを読んだことはないのですが、その時代の読者層を想像するに
疲れた母親の本音なんか書いてある漫画に共感できる境遇にある人は
殆どいないんじゃないでしょうか。その結果がこの巻数なんじゃないかなと。

げんしけんを読んだ上で出産或いはそれに携わり密室育児をした事のある層なんて
主婦かそれこそ仕事のない期間の漫画家みたいな自由業でないと…
って完全にうちのことだがw
読者層には合わない、かといって育児エッセイコーナーに置かれる装丁の
本でもないので育児層にも存在を気づかれにくいという。

男の作家が育児ジャンルを描くなんて
作者が結婚して奥さんが出産した事で育児に関わったからでしょう…
と思ってたら完全にそうだった。
ちびちび見つけては読んでるコウノドリの作者も子供いますしね。

 

絵が萌え系だったりお世話を手伝ってくれる妹はロリ服だったり
典型的ツンデレお嬢様とか狐耳みたいなキャラも出てきますが
そのデザインに大層な意味はありません。
何やかや理由つけて父親キャラ不在というか排除したのも、
とにかくまずは双子の若い女の子が赤ちゃんをお世話するというシチュで
舞台を整えたかったからであろうと思いますし、
そこはオタ系の漫画ゆえの手癖みたいなものですかね。
そこで釣れたオタ系の人が実際の内容を見たらがっかりしてしまうんじゃなかろうか。

萌え系にしてるわりには赤ちゃんの顔や局部、授乳時の乳の血管が妙にリアルで
そうそう、こんなだわwと思う反面
やっぱり育児関わってない層は引いてしまうんじゃなかろうかと心配に。
育児の大変さをリアルに感じてもらうための演出なんだろうか…。
(ちなみに私はそこまで大変ではなかったです。母乳にこだわらず夜もさっさと
ミルクで寝かせたので。里帰りをしたり旦那が在宅なのも大きいでしょう。
でも世の奥さん方は死別ではないにせよ旦那さん仕事で不在なんですよね…)

 

ともあれ、2巻でいきなり完結してしまいです。…残念ながらそれはそうだろうな。
さっきも書きましたが、産後鬱ってこんななんだと知ることさえできれば
相手の男が不在の理由はなんでもいいわけです。
皆に好かれた天才みたいにしなくても普通に凡人の彼氏でもよかったんでは。
そこらへんの謎解きを入れちゃうと話の焦点がぼやけてしまう。

 

ところで、まだまだ自由な友達たちに会うに会えないという心理は巧かったです。
その友達たちから見れば、知らんわ、周りを羨む位なら作らなきゃいーじゃん、
先に身を固めといて愚痴るとか嫌味か、となるでしょう。
それがわかってるから育児の愚痴もぶつけられないし、
自分が投げ出せない育児でズタボロになり輝きを失っている時に
まだ輝いててこれから進路を決められる皆を見るのはさぞ目の毒でしょう。
だからまだ会えない。

いや、私なんかは会いたい方ですけどね。でも、下手に自由さを思い出すと
尚更外の世界に未練が出てきて苦しくなるのは確かです。
例え遠い将来的には子供がいた方がいいのだろうという事はわかっていても。
人は無いものねだりなのですよ。

 

話自体はどう見ても打ち切りなんですが、まあ掲載誌を間違えたという事で…?

とにかく産後の新生児の世話がきつくて赤子にひどい事を考えてしまうと
追い詰められている人には共感できる育児エッセイ漫画と
とらえていいんじゃないでしょうか。
(ただし、かなりというレベルで追い詰められてる人じゃないときついかな)
共感したらお世話が楽になるのか?物理的にはならないでしょう。
でも、これからも同じ日々を送りつづけるならせめて気分だけは共感によって
少し楽にしないとね、と思います。

そういうジャンルの本を読み続けること自体、
自分を育児モードで保っていられる大事な行動だと思っていますしね。